認知症と歯の関係とは

認知症は65歳以上の約1/4が発症するか予備軍であると言われています。認知症の予防は将来の素晴らしい老後のためには欠かせないと言えるでしょう。さて、その認知症ですが、口腔との関係が指摘され始めているようです。

まず大前提として、歯や口の機能と認知症の直接的な因果関係は医学的に証明されたものではありません。いまだ研究途中です。しかし、様々な研究報告から歯や口と認知機能の深いかかわりが浮き彫りになってきたように感じます。
たとえば、ある大学がA県に住む65歳以上の男女4千人を4年間追跡したところ、認知症の発症と歯の本数との関係が明らかになりました。歯の残存数が20本以上ある人と、そうでない人とでは認知症のリスクがおおよそ2倍の差があることが明らかになりました。ほかにも、M県S市内の65歳以上の高齢者を対象とした調査では、健康な歯の残存本数と認知機能の高さには相関関係があることが指摘されています。

これだけでなく、マウスを用いた実験でも同じような関係性が指摘されています。遺伝子操作でアルツハイマー型認知症を発症させたマウスを、奥歯を抜いた郡と歯が揃っている群に分けて比較しました。その結果に歯を抜いたマウスの方が学習機能や記憶能力に劣るということがわかってきました。
実験を行った医師は、「かむことによって脳の血流がよくなります。また、神経回路を通じて脳への刺激があること確かでしょう。それが認知症の予防に何らかのかかわりがあるのは否定できないと思います。ただし、歯がなければダメかというと、そうではないでしょう。かむことの刺激は歯からだけでなく、粘膜や筋肉からも脳に伝わっていきます。歯を失っても、入れ歯やインプラントを使うことによってしっかりかむことができれば、歯を失っても脳を活性化することは可能なのではないかと考えています」と話していました。

歯の除菌

歯の除菌と言ってもあまりイメージがわかないと思います。歯を毎日丁寧に磨いていても、それは除菌ではないでしょう。

さて、歯を失う原因の1位、2位を占めているのは歯周病とむし歯です。

これらはいずれも悪玉の細菌感染が原因とされています。

 

歯についてしまったプラークの中に潜む悪玉菌は日々の歯磨きで物理的に取り除くことはできると思います。しかし予防につながるくらいまで大きく減らすのはあまりかんたんではないように感じます。そこで殺菌剤を使って悪玉菌数をへらすことができる口腔内除菌法が21世紀初頭に開発されました。開発者は悪玉菌を殺そうとして殺菌剤を口に含むと、有意義な常在菌まで死滅させてしまうことに頭を悩ませていました。開発者が注目したのは、悪玉菌は歯の表面にたくさんいるということです。そこにだけ攻撃をすることができれば、その他大勢の常在菌へのダメージを抑えて効率的な除菌ができるのではないかと考え多様です。

この、口腔内除菌法は一人ひとりの歯の状態に合わせてシリコーンのマウスピースのようなトレーを作成し、内側に殺菌剤を塗り数分装着していれば、歯の表面だけでなく、歯と歯ぐきの聞のすき間にも殺菌剤が浸透していくようです。こうすることにより、歯の表面や隙間に多くひろんで居る悪玉菌を丁寧に排除することが可能だとされています。これを朝晩の2回繰り返すことで歯の周囲の細菌環境は大きく改善できるように思えます。研究が進みこの治療は国内各地の大きな病院で受信できるようになりました。

一方でこの治療は費用面で大きな問題を抱えています。保険が適用されないばかりでなく、歯のトレーは数年に一度交換しなくてはならないため、これにもかなりの費用がかかってしまうようです。保険が適用されることを祈ります。